漢方外来

漢方薬は天然のもの（主として薬草の根、茎、葉、実など）の有効成分を乾燥させて作った生薬を組み合わせた薬です。
動物や鉱物が少量入っている場合もあります。
煎じ薬だけでなく、飲みやすいエキス剤がよく用いられます。
漢方治療の基本的考え方は人が誰でも持っている自然治癒力を高め、体の変調を整えることです。
患者さんの体質や病気の状態を見極めながら、その人に最も適した薬と服用量を指示します。

西洋医学と東洋医学（漢方治療）の違い　
現代西洋医学では病名により薬を処方しますが、東洋医学では独自の考え方があります。
身体の機能を司る三要素として「気，血，水」、「気」は身体の原動力であるエネルギー、「血」は血液、血流、「水」は汗やリンパ液などの体液全体を示します。
この三要素のアンバランスが病気を引き起こしており、このくずれたバランスを整えて健康状態に戻す治療法です。　
診断の方法は証という考えにより患者さんの体質や訴えを細かく調べてスコア表に当てはめます。
これは東洋医学会の専門教授が作成された大変信用性の高いもので実際の診断におおいに役立ち、薬を決めるための確実な方法です。当院はこの表を活用しています。
体力の充実した人は実証、衰えている人は虚証、子供はたいてい実証、高齢者は虚証が多いです。
同じ病気でもその人の証により薬が違ってきます。
風邪薬でも初期、慢性期、実証、虚証により何種類もあります。　
漢方薬が効きやすい症状としては肩こり、頭痛、関節痛、慢性疲労、冷え症、めまい、生理痛、便秘、下痢、動悸、不眠、虚弱体質、易感染性、肥満などです。副作用は問題にならないことが多いですが、全くないわけではありません。
証が合わないと薬の効きが悪かったり、胃腸障害が起こります。
エキス剤は細粒なので、口の中で広がり飲みにくいこともあり、錠剤もあります。
苦い薬でも子供が喜んで飲むのは証がぴったり合っているからです。
薬の効き方はだいたい２週間をめどにしますが、驚くほど早く効く場合も多いです。